横型試験カテーテルシステム
カテーテルは例えば微少なモノを患者の体内に運ぶなど、多くの用途で使われます。カテーテルのおかげで外科手術ではメスを入れる部分が少なくなってきています。また、カテーテルは患部に直接薬を運んだり、ステントを使用する際には血管を拡張する事にも使われます。
カテーテルシステムとガイドワイヤーを開発においては摩擦係数とトルクの最小化が重要です。ツビックローエルのAllroundLineを横型にした試験機ではカテーテルを挿入する際の力を極めて精度高く測定します。カテーテルの摩擦挙動は人工動脈の中に押し入れる事によって測定します。これは 'tortuous path' として知られています。試験は患者の手術時の実際の状態に近づけるために水平方向で行われます。
ツビックローエルはこの試験アプリケーションのために試験機のクロスヘッドと特別な自動試験片チャックの両方を制御するシステムを開発しました。横型タイプのAllroundLine試験機には3Dモデル空間及びメイン試験軸上下に液体槽を用意しています。典型的な試験としては、人工大動脈へ事前に決めた位置までカテーテルを押込んでいきます。その後、試験片は解放され、クロスヘッドが初期ポジションへ戻ってきます。空圧チャックが再び閉まりクロスヘッドが試験方向に動きます。この一連のプロセスはカテーテルが人工動脈へ完全に挿入するまで繰返し行われます。この全自動プロセスは様々な大動脈の長さに対する試験を容易にしてくれます。ソフトウェア上には次の試験結果が表示されます:
- 挿入力の測定:イントロデューサーシースを介してカテーテルが進んでいく際の力を測定
- トラック力:カテーテル、ガイドワイヤー、あるいはその他の小さな器具が人工動脈の中を進んでいく際に必要となる力を測定
- 押込みの効率性:中心と末端のロードセルを使い、ある特定の力が製品中心部に加えられた時の末端のチップにかかる力を測定
- ガイドワイヤーの動き:ガイドワイヤーがカテーテル、ガイドカテーテル、あるいはその他の小さな器具を介して進んでいくのに必要となる力を測定
- 柔軟性:ガイドワイヤーの曲げ、例えば90°などの中を進んでいくカテーテルチップの能力を測定
- ガイドワイヤーとカテーテルのトラック円滑性:トラック試験データを使用し製品が人工動脈を進んでいく際に必要となる力にコーティングが影響を与えているかどうかを測定する比較試験
これらの試験結果は高精度で測定されます。高剛性の負荷フレームとデジタル制御ドライブシステムにより、マシーンそのものにではなく、試験中のサンプルに負荷される荷重を測定しています。マシーンの制御システムは大変高い分解能を有しており、クロスヘッドの位置決めは 1µm 以下、荷重測定精度は 0.5 % 、実測値で 0.1 mN以下となります。
FDA 21 CFR Part 11に適ったトレーサビリティー、改ざん防止の試験結果
- ソフトウェアには医薬品業界で近年重要の高まりを見せるドキュメンテーションのトレーサビリティーの機能が盛り込まれています。
- トレーサビリティーオプションでは、testXpert III は全てのアクション、試験前、試験中、試験後の変更、をログデータとして残し、試験結果やドキュメンテーションをトレーサブルにしていますので、改ざんなどの行為から全てを保護します。
- 電子記録や電子署名などの機能を備えたユーザーマネージメントは試験結果の改ざんを防止します。
- 個々のお客様の企業内部における徹底したプロセス管理とあいまって、このソフトウェア機能はFDAの21CFRパート11の要求を全て満たしたツールとして活用いただけます。
- ツビックローエルはさらにバリデーションの一環である(DQ/IQ/OQ)のサービスパッケージも提供しています。
- testXpert III はすべての試験、アクション、設定のデータログを記録、したがっていつでも質問には答えることが出来ます、”いつ、だれが、何を、なぜ、そして誰の責任で?”
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