ASTM D412 ゴムとエラストマーの引張試験
ASTM D412規格は、加硫処理した熱硬化性ゴムと熱可塑性エラストマーの引張特性を評価するためのプロセスを記載しています。 これらの材料は、航空宇宙、医療、自動車、建築など、さまざまな産業で日々使用されています。
- 熱硬化性ゴムは熱を加えることで硬化し形状が固まります。 硬化は不可逆的な化学反応であり、熱硬化性ゴム製品をより強く、より耐久性のあるものにします。 熱硬化性ゴムを使用した製品には、タイヤ、ホッケーのパック、サーキットブレーカー、電気筐体、モーター部品などがあります。
- 熱可塑性エラストマー(TPE)は、ポリマー、ポリマーブレンド、または化合物です。 通常はペレット状で、加熱すると液状になり、金型などに注入することができます。 熱可塑性樹脂は、冷えて固まることで形となります。 このプロセスは、素材を再加熱することで元に戻すことができます。 TPEの用途として、ドライブベルト、ショックアブソーバー、呼吸チューブ、カテーテル、靴底などがあります。
ASTM D412に準拠し決定される特性値
ASTM D1566に基づいた定義 - ゴムに関する用語
- 引張応力: 試験片を引伸ばすために加えられる応力
- 所定の伸びにおける引張応力: 試験片の均一断面を所定の伸びまで引き伸ばすのに必要な応力
- 引張強さ: 試験片を破断点まで引き伸ばしたときにかかる最大引張応力
- 降伏点: 応力-ひずみ曲線図において、ひずみに対する応力の割合がゼロを通り、負になる可能性のある点で、最終破断の手前にある
- 最終伸び: 破断時の伸び
- 引張永久ひずみ: 試験片を引き伸ばした後、所定の方法で収縮させたときに残るひずみで、元の長さに対する割合で表されます
詳細な情報と規格の手順についてはASTM D412規格を参照してください。
規格 | タイプ | 注記 | l3 mm | l1 mm | b2 mm | b1 mm | h mm | L0 mm | 形状 |
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ASTM D412 | C | 推奨試験片 | ≥ 115 | 33 | 25±1 | 6+0.05 | 1.3 ... 3.3 | 25±0.25 | ダンベル試験片 |
ASTM D412 | A | 寸法 | ≥ 140 | 59±2 | 25±1 | 12+0.05 | 1.3 ... 3.3 | 50±0.5 | ダンベル試験片 |
ASTM D412 | B | 寸法 | ≥ 40 | 59±2 | 25±1 | 6+0.05 | 1.3 ... 3.3 | 50±0.5 | ダンベル試験片 |
ASTM D412 | D | 寸法 | ≥ 100 | 33±2 | 16±1 | 3+0.05 | 1.3 ... 3.3 | 25±0.25 | ダンベル試験片 |
ASTM D412 | E | 寸法 | ≥ 125 | 59±2 | 16±1 | 3+0.05 | 1.3 ... 3.3 | 50±0.5 | ダンベル試験片 |
ASTM D412 | 試験力 | 寸法 | ≥ 125 | 59±2 | 16±1 | 6+0.05 | 1.3 ... 3.3 | 50±0.5 | ダンベル試験片 |
ASTM D412 | 1 | 推奨寸法 | 17.9 | 15.9 | 1 ... 3.3 | 50 | リング試験片 | ||
ASTM D412 | 2 | サイズの大きい試験片 | 35.8 | 31.8 | 1 ... 3.3 | 100 | リング試験片 |
試験機
- ProLine 材料試験機 標準的な試験や簡単なアプリケーションに対応し、試験エリアの高さは1050 mmから1450 mmまで
- AllroundLine 材料試験機 – カスタマイズ可能で、試験エリアの高さが1030 mmから2560 mmまでと、高い汎用性を備えています
試験片グリップ
- 空圧グリップ: グリップ力を空圧アクチュエータで発生させます。 引張とグリッピング力を分けてコントロールすることで試験中の一定のグリッピング力を常に保っています。縮みやすい試験片などでは、グリップ力が常に一定に保持され一様に力を空圧にてかけています。
- ピンサーグリップ: ダブルアクチュエーターグリップ。グリップ力は引張荷重が増えるに従い比例的にピンサー原理で増加していきます。これにより収縮しやすい試験片でも自動で再度しっかりと締付が行われます。
伸び計
- ロングストローク:測定ストロークが非常に大きく、測定範囲全体にわたって非常に高い分解能 ガイドエレメントの強固な機械設計により、破断時にむち打ち効果を示すような試験片でも、信頼性の高い機能を発揮します。
- マルチ伸び計 II HP:完全に自動化され、測定範囲全体で最高の精度を実現 測定キャリッジ、測定ヘッド、セントラル測定制御ユニット間の測定信号、制御信号、ステータス信号の送信は、伸び計のマイクロプロセッサーシステムによって処理されます。
- ライト伸び計:高弾性材料や破壊エネルギーが高く、破断時にしなりやすく、機械や測定システムを損傷する可能性がある接触に敏感な材料用に特別に設計されています。
ASTM D412に準拠した自動引張試験
ASTM D412に準拠したゴムやエラストマーの引張試験は自動化する事も可能です。
コンパクトなロボット試験システムroboTest Lは、最大350本の試験片を自動で試験することができます。システムに組み込まれた厚み測定装置により、正確かつ再現性よく試験片の厚みを測定することができます。
試験片グリッパーが試験片を試験機にセットすると、ASTM D412に準拠した引張試験が自動的に開始されます。 試験終了後、別のグリッパーによって試験片グリップから破断後の試験片を除去します。
ロボット試験システムroboTest Rはより複雑で、試験片のマーキングステーション、センタリングステーション、試験片を正確にコンディショニングするための恒温槽などの追加装置を接続することも可能です。 また、ロボット試験システムの試験片マガジン容量は、必要に応じて拡張することが出来ます。
ASTM D412に関する試験要求事項、課題などご質問がありましたら、いつでも当社へご連絡ください。
皆様のニーズを話し合うことを楽しみにしております。
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