圧縮試験と圧縮試験機
圧縮試験は、絶えず増加する圧縮荷重下での材料の挙動を決定し、材料とコンポーネントの安全性、耐久性、完全性を調べます。典型的なアプリケーションには、プラスチックチューブとプラスチックパイプ・柔軟な気泡フォーム材料の圧縮試験、紙とボール紙の圧縮/圧壊試験、金属産業での圧縮ばね試験、医療/医薬品を含むインプラント、ステント、注射器または医療用包装等の医療/製薬分野での圧縮試験、複合材料の圧縮およびノッチ付き圧縮試験が含まれます。
圧縮試験機は、アプリケーション固有の圧縮試験ツールまたは圧縮プラテンを備えた万能試験機 (UTM) です。ツールは、試験の種類、試験片の材料と寸法、試験温度、予想される最大力値などの基準に基づいて選択され、機械に取り付けられます。
業界別の幅広い圧縮試験アプリケーションの例について、より多くの情報を提供させていただいております:
圧縮試験の定義
- 圧縮試験 圧縮荷重下における材料の挙動を特徴づけるために行われます。
- 試験中、万能試験機に取り付けられた圧縮プラテンまたは特殊工具を使用して試験片に圧力を加え、試験対象の材料のさまざまな特性を判定します。
- 試験データは、特に弾性限界、比例限界、降伏点、場合によっては圧縮強度を表示する応力-ひずみ曲線図の形式で試験結果がもたらされます。
試験片を互いに押し付ける圧縮試験は、試験片を引き離す引張試験とは基本的に反対です。試験は、機械加工された材料試験片、または実際のコンポーネントのフルサイズまたは縮尺モデルで実行できます。一般的なタイプの圧縮試験には、トップロード (クラッシュ) テスト、曲げ (ベンド) 試験、ばね試験が含まれます。
圧縮試験の規格は?
圧縮試験は幅広い材料とコンポーネントの安全性、耐久性、完全性を調べます。 圧縮試験の最も一般的なISOおよびASTM規格を以下に記載します:
- ASTM D3574-C: 柔軟気泡フォーム材料の標準圧縮試験 - 柔軟気泡フォーム材料の圧縮特性/圧縮応力-ひずみ特性
- ISO 844, ASTM D1621: 硬質気泡プラスチックの圧縮試験
- ASTM D695: 硬質プラスチックと連続繊維強化複合材料の圧縮特性の標準試験方法(エンドローディング圧縮)
- ASTM F1306: 柔軟バリアフィルムおよびラミネートの低速浸透抵抗の標準試験方法
- ISO 7886-1: 単回使用の無菌皮下注射器のプランジャーグライド力
- ASTM F3067: バルーン拡張型および自己拡張型血管ステントの半径方向荷重用の標準ガイド
その他圧縮試験には企業内部規格があります。例えば、BSS 7260cやAirbus AITM 1-0010 issue 3などは航空機産業で一般的に使われている圧縮試験です。
圧縮試験機
圧縮試験機は、圧縮 (プレス) 荷重下での材料の強度と変形挙動を決定するために特別に構成された万能試験機(UTM) です。典型的な圧縮試験機はロードセル、クロスヘッド、伸び計、試験片グリップ、制御装置さらにドライブシステムから構成されます。マシンおよび安全設定をセットするために使用される試験ソフトウェアによって制御され、ASTMやISOなどの試験規格によって定義されている試験パラメータが保存されています。適切な圧縮試験機の選択は、試験する材料と準拠する必要がある規格によって異なります。指定された荷重または距離に到達するまで、または試験片が割れたり壊れたりするまでの力を測定することで、設計者や製造業者は、意図した目的のために材料が実装されたときにどのように機能するかを予測できます。
ツビックローエル圧縮試験機は zwickiLine、ProLine、AllroundLineそして落重試験機を含み、試験能力、材料の種類、アプリケーション、および業界標準に基づいて、顧客の要件を満たすように特別に設計されています。システム全体の安全性や信頼性に加え、ツビツクローエルでは全ての万能試験機では以下に焦点をあてて設計、製造をしています:
- 分かり易い操作性を重視した、高いレベルの柔軟性
- ニーズへのシンプルな適応 - および規格が求める要求
- 将来を見据えたユーザーニーズへの拡張能力
ツビックローエル圧縮試験機の比較
モデル | zwickiLine | ProLine | AllroundLine | 落重試験機 | 高容量試験機 |
タイプ | 電気機械 テーブル-トップマシン | 電気機械 テーブル-トップマシン | 電気機械 テーブル-トップ試験機 (5 kN – 150 kN) フロアスタンディング試験機 (50 kN – 250 kN) | 落重試験機 | 電気機械 |
負荷範囲 | 0.5 kN – 5 kN | 5 kN – 100 kN | 5 kN – 250 kN | 2,000 Jまで | 330 kN - 2,500 kN |
圧縮試験、圧痕試験、パンクチャーテストのアプリケーションの具体例 |
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以下のセクションにて、その他のアプリケーション例について詳細情報をご確認いただけます。
圧縮試験用の圧縮プラテンと試験ツール
使用される圧縮ツールは、試験する材料と直接接触しています。したがって、それぞれの用途や要件に合わせて正確に調整し、適合させる必要があります。全ての試験に対応した幅広いレンジの圧縮試験キットを用意しています。これらの圧縮ツールは、個々の試験条件に応じて特定のアプリケーションに適応させることが出来ます。
圧縮試験冶具 は通常、上部と下部の試験ツールと圧縮ツールの2つの主要コンポーネントで構成されます。試験ツールを可能な限り多くの異なるテストに高いレベルの柔軟性で使用するために、幅広い互換性と組み合わせ可能なツールポートフォリオを構築しました。
個々の圧縮ツールと固定具のさまざまな要件は、基本的に次の結果から生じます。
- 国際規格で定められた仕様
- 多数の異なる試験片、材料、コンポーネント
- 多種多様な試験片の形状と寸法
- さまざまな種類の環境条件 (温度、湿度など)
以下に、当社がサービスを提供するさまざまな業界の要件に合わせて調整された、当社の包括的な圧縮試験ツールポートフォリオの抜粋を示します。
定義された試験荷重で必要な試験片サイズ:
試験荷重 | 最小 の許容面圧で必要な試験片表面積 | 典型的なサイズ: 正方形の試験片 | 典型的なサイズ: 丸棒試験片 | |||
300 N/mm2 | 90 N/mm2 | 300 N/mm2 | 90 N/mm2 | 300 N/mm2 | 90 N/mm2 | |
10 kN | 30 mm2 | 110 mm2 | 約. 6 mm | 約. 11 mm | 約. Ø 7 mm | 約. Ø 12 mm |
20 kN | 70 mm2 | 220 mm2 | 約. 8 mm | 約. 15 mm | 約. Ø 9 mm | 約. Ø 17 mm |
50 kN | 170 mm2 | 550 mm2 | 約. 13 mm | 約. 24 mm | 約. Ø 15 mm | 約. Ø 27 mm |
100 kN | 330 mm2 | 1100 mm2 | 約. 18 mm | 約. 34 mm | 約. Ø 20 mm | 約. Ø 36 mm |
150 kN | 500 mm2 | 1700 mm2 | 約. 23 mm | 約. 41 mm | 約. Ø 25 mm | 約. Ø 46 mm |
250 kN | 830 mm2 | 2800 mm2 | 約. 29 mm | 約. 53 mm | 約. Ø 33 mm | 約. Ø 60 mm |